漁師町の銭湯はなぜお湯が熱いのか

このページは将来書籍化されますw
現時点では、あちこちのページから集めてきた書きかけの記事とか脳味噌に漂っていた雑感を整理せずただ置いてあります。

きっかけ

熱いお湯は良いらしい

twitterでいろいろ健康情報を収集しています。あるときこんなtweetを見かけました。

熱い湯船に顎まで浸かって全身に水圧をかけると?だけよりも遥かに疲れが取れた感じがするのは、そういうことなんですね?? φ(・ω・*)フムフム… pic.twitter.com/NvmMbcv49Q— あら煮 (@Tensai_Karyudo) March 14, 2021

こんなん貼ってもどーせ見ない確率99%でしょうからwざっくりまとめますと、

まず湯に浸かることで3つの効果が期待できます。

  • 温熱効果:体温上昇→免疫力UP
  • 浮力効果:関節や筋肉の負担が減る 緩む 造血UP
  • 静水圧効果:血流やリンパの流れが良くなる→新陳代謝UP、老廃物排泄

で、湯の温度が高ければ体温も上がる。深部体温も上がる。HSP(ヒートショックプロテイン)効果で筋肉を修復!免疫力もUP!という寸法です。 熱い風呂はだめだ!とかぬるい風呂に長時間つかるのがいいとか言う専門家もいるようですが、私は医者の言うことより江戸っ子の親父の熱風呂好きを信じたいですw

逆に、湯に浸からずにシャワーだけで済ませていると体温が上がりません。
体温が1℃下がると免疫37%低下、基礎代謝12%低下、体内酵素の働き50%低下…と、いろんな病気になりやすくなります。(治りにくくなる)

というお話です。

熱い湯で身体のチェック

名著「風邪の効用」野口晴哉著

にもありますが、熱い湯に浸かると体が真っ赤になるなかに所々赤くならない所がある、もしくは温度によっては逆に一部だけ赤くなる、ということがある。 その一部だけ周囲と違っている部分が悪いところなのだと。 なので、湯から出て全身を眺めまわして表皮をチェックしたりもしています。

いつも足首だけ痛いのも、色こそ変わらないけどもしかしたらどこかと繋がっていて異変を知らせてくれているのかも。もしくは単にアキレス腱やふくらはぎを酷使しているからか。

銭湯巡り初期

以前2か月間の無職ライフを堪能していた頃、お湯シャンを始めてついでに石鹸で体を洗うことも止めた。最初しばらくはかゆかったり脂分が残ってる感じが気持ち悪かったりして重曹で洗うこともあったが、いまでは洗剤的なものはほとんど使っていない。頭皮はシャワーしながら両手の第一関節の甲?でがしがしこするのみ。体は湯船につかってれば勝手に流れてくべ?戦法。 臭いに敏感なヨメちゃんも特に何も言ってこないのできっと大丈夫なのだろうと思う。

なのでお風呂にはシャンプーもリンスも持っていかない。

ただ、湯温を計りたいので温度計は必須。でもタオルと温度計だけ持ってると不自然だし不便なので、最初の頃は小カゴにダミーのシャンプーやリンスを入れてカムフラージュしていたが(笑)、だんだんめんどくさくなり、浴室にはカゴに手拭と温度計だけ入れて持っていくようになった。 最終的にはカゴ制度もやめてタオルと温度計だけとなった。 

あとは、温度計を湯に突き刺して温度を測るという…かなり怪しい行動が目立つようで(笑)、ときどき話しかけられます。というか、「何度だった?」と聞かれるだけですけど。それきっかけで多少雑談が始まったり、始まらなかったり…

近所の銭湯を探索してみた

「新湊の人は熱い風呂が好き」

というわけでそれから熱い風呂を求めてあちこち富山県内の銭湯を巡るようになった。

全国の健康ランドを泊まり歩いた(車でですけど)時期もあったぐらいのサウナ好きで、たまに風呂に出かけるとしても主目的はサウナを浴びる事なので、必然的にサウナ併設のスーパー銭湯や健康ランドにしか足が向かなかった。

徐々に熱いお湯を求めるようになって界隈の銭湯を検索してみたら、旧新湊市街地のせまい範囲になぜか銭湯が3軒固まって存在していることに気付いた。 クチコミに「新湊の人は熱い風呂が好き」とか散見されて、とてもそそられる。 そもそもこのスーパー銭湯ばやりのご時世にそんな密集して銭湯が生き残れるぐらいの銭湯需要があるのだろうか。

赤い枠の上半分が旧新湊市3万6千人。
右下 旧小杉町3万2千人
左下 旧大門町1万2千人、
左中央部 旧大島町1万人、
右中央部 旧下村2千人。

15年ほど前にこれら5つの市町村が合併して射水市(いみずし・赤い枠線)になった。

2022.12現在、射水市内には銭湯以外の公衆浴場が4つあって、新湊2、小杉1、大門1と分散しているのに対して、いわゆる「銭湯」は射水市内(赤枠線)に3軒あるその全てが青丸の地点に固まっている。 この偏りはなんなんだ!

行ってみるしかないよね~

新湊の湯はたしかに熱かった!

  • 越の湯
    浴槽1つ 44度のお湯が流れ込んでいるが浴槽の反対側の隅では42℃ぐらい  好みの熱さ加減を選べるとでもいうか
  • さんがの湯 (※2023.1閉店しました)
    浴槽2つ
    ★通常浴槽 42℃ぐらい
    ★赤湯と呼ばれる高温槽 塩味、茶色い 45度前後  max46.1℃を確認
  • 金崎湯
    浴槽1つ 43度

いずれも銭湯組合加盟440円

どの銭湯もほどほどに混んでいる。大繁盛とは言わないが、街の人に普通に利用されてる。駐車場の車の数より人間の数の方が多いから近所の人が多数なのだろう。 お年寄りばかりではなく若い人もそれなりにいる。 とくに、女湯からはいつもオバチャンの話し声が聞こえてきて社交場として機能している感じがする。(男湯はほぼ水の音のみw)

なぜ大島・大門・小杉(15年前に越してきたときは小杉駅の近くにも銭湯があった気がする)の3町からは銭湯が消えたのに、新湊にだけ3つも銭湯が残っているのか。そこは全く分からない。 漁師町だから説。単純に人口密度の問題か。新湊だけ元々「市」だった。

いままで温度とか意識して風呂に入ったことなかったけど、確かにどこも熱い。赤湯の45℃は別格としても、42℃でも熱い風呂の部類になるだろう。 スーパー銭湯や健康ランドではここまで熱いお湯は見かけたことがない。あまりに高い温度では苦情くるからか最大公約数的に温度を下げざるを得ないのだろうか。

調査開始

ただ、新湊だから平均温度が高いのか、世の中の銭湯自体がそういうものなのか。
銭湯という場所に赴くのは初めてといっていい状態なので、他の銭湯の様子も分からない。 新湊以外の銭湯も調査してみる必要がありますなこりゃ…
となるのが自然な流れ。徐々に捜索範囲を広げることになった。

で、界隈の銭湯や温浴施設に突撃しては温度を計ったりいい湯だなと鼻歌唄ったりしたのを記録し始めたのが当ブログ。

魚津のお湯も熱い!

調査を進めるうちに、新湊だけでなく魚津にも熱い銭湯が固まっていることを知った。
むむ!新湊と魚津!魚の町漁師町であることとなんか関係あるのか??と勝手に結び付けてしまい、漁港のある町や海沿いの浴場を優先的に調べていた。回ってるうちに、銭湯には熱い湯もあればそうでない湯もあるが、スーパー銭湯には熱い湯が存在しないことに気付く。熱い湯が存在するのは銭湯にだけ。

氷見の風呂も熱い

ブリしゃぶ・寒ブリで一躍有名になった「氷見」が全国的には「魚の町」としてネームバリューがあるのかなと思うが(そう思ってるのは富山県民だけ説もある)、なぜか氷見の銭湯は熱くないというか、そもそも銭湯が少ない。ほぼない。現在銭湯組合に加盟しているのは堀田の湯のみ(休業中。源泉の販売のみしています) 記録を探るとJR氷見駅の周りの旧市街地に何軒か存在はしていたようだ。窪の湯、和倉湯・・・

温泉街としても有名になってしまってるぐらいあちこちに温泉旅館や民宿があるし、温泉が湧いてるインディーズな入浴施設も点在しているので銭湯需要が少ないのだろうか。 みんながみんな毎日旅館や民宿に行ってるとも思えないが。 新湊や魚津とは逆の意味で謎である。

氷見で一番最初に寄ったスーパー銭湯有磯の湯がmax41.0℃とぬるく、他に銭湯らしい銭湯もなかったことから、「氷見は漁師町だけども、風呂はぬるい。」と勝手に決めつけて、その後しばらく氷見には近寄らなかった。
近場で他に行くところもなくなってきたことから、未踏マップを埋める為に氷見の他の風呂も覗いてみるか~ぐらいの軽い気持ちで巡ってみたら、潮の香亭・ハダカ天国ゆーランド・氷見総湯、軒並み熱いでやんの!

というわけで、氷見の風呂も熱いと言っていいと思います。 「氷見の銭湯も熱い」とは言いづらいですが。

全47銭湯回ってみた結果

新湊が特別でしたw 3軒ある銭湯が全部熱い。 あと魚津も熱いです。
漁師町つながり。あるのかないのか。
氷見も熱い湯は多いです。
他の町は沿岸部だろうが内陸部だろうが熱い湯もあれば熱くない湯もあるという感じです。

上からの規制

感染症の予防や、殺菌(性病菌、水虫菌)の為に42℃以上に設定すべしと保健所に指導または法律で規制されていた時代があります。現在は撤廃されているようです。

漁師町と銭湯

漁師の終業時刻と銭湯の開店時刻

各銭湯の開店時間リストを作っていて気付いたことがある。

新湊の3銭湯は午前中には開店しているのに比べて、魚津の4銭湯の営業開始は13:00 13:30 14:00 14:00と軒並み遅い。


当サイトに限らず、漁師町と銭湯はセットで語られることが多い気がするが(私自身が「漁師町+銭湯」で検索して出てくるサイトばかり見てるからかもしれないw)、そもそも、「漁を終えた漁師が汗や魚臭さを洗い流す為、または海で冷えた体を温める為に銭湯に行く」という文脈に対して、ならば海沿いの銭湯はもっと早くから開いていないとおかしいと常々思っていた。

漁が何時に終わるのかは、組織によっても市場によって季節や天候によっても変わってくるだろうから一概には言えないと思うが、私の知り合いの漁師は毎日パチンコ屋の開店に並んでいた(笑)ぐらいなので、昼過ぎにようやく開くようでは遅すぎる。

家の風呂がサカナ臭くなるから銭湯じゃないと困るんだ…と言ったかどうかは知らないが、早く開店するように店主にお願いすることになって結果的に早朝から営業してる銭湯が増えるハズ…なのだが、そうなっていない。
新湊にしても、魚津と比べれば早いというだけで、11:00 11:00 11:30 ならやはり漁が終わってひとっ風呂浴びようと思っても何時間も待ちぼうけしないとならないだろう。 ただ、新湊漁港には「昼セリ」という制度があり朝と昼の2回セリ市が行われているので、漁師も遅くまで(午前中いっぱいとか)漁に出たり働いているのかもしれない。それなら11:00頃に一斉に開くというのはなんとなく分かる気がする。

漁師の仕事が早く終わると私が思い込んでいるのはサンプル数1、その知り合いの漁師がパチンコ屋の開店に頻繁に並んでいた事実のみに基づいているので実際は皆さんもっと遅くまで働いているのかもしれない。 サンプル数を増やさねばなりませんw

漁師は熱い風呂を好む?

漁師さんが海で冷えた体を温める為にお風呂に行くというのは分かる。
「漁師さんは銭湯好き」なら問題なく受け入れられる。家で入ると家の風呂がサカナ臭くなりそうだしw

そもそも「漁師は風呂が好き」と「漁師は熱い風呂が好き」は別の話で、漁師さんが熱いお湯を求める理由を教えてくれる人はまだ見つからない。

ここで漁師は短気説が浮上する。
江戸っ子が短気で熱い風呂好きだというのも、ぬるい風呂でちまちま汗かくなんてまだるっこしいことやってられない、熱い風呂でさっと茹だってさっと上がる方が短時間で温まるからいいやい!っていうことだと思うが、同じことなのだろうか。

そもそも江戸っ子は本当に短気なのか?w 漁師はみんな短気なのか?w

またまた少ないサンプルで恐縮だが、福岡町(農村地帯・現高岡市)生まれ&育ちの自分が、伏木(港町・工業港であり漁港ではない)の会社で働き始めたとき、新湊や氷見(ともに漁師町)の先輩たちの言葉遣いの荒さにびびった覚えがある。怒ってんのか?誰かに喧嘩うってんのか?と思うぐらい口が悪い。

気性が荒いのと短気はまた別の話か。

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